「ワンストップ特例、使えないの?」と焦った話
去年、確定申告の準備をしているときに、ふるさと納税の証明書がどっさり出てきて「あれ、これワンストップ特例の書類も一緒に出さなきゃいけないんだっけ?」と一瞬パニックになったことがあります💦
結論から言うと、私のように毎年確定申告をしている個人事業主は、そもそもワンストップ特例を使うこと自体ができません。
これは書類の出し忘れとかではなく、制度の対象者から個人事業主(確定申告をする人)がはじめから外れているからなんですよね。
この記事では、なぜ個人事業主がワンストップ特例を使えないのか、そして確定申告で寄附金控除を受けるにはどこに何を書けばいいのか、実際の手順を一つずつ見ていきます。
上限額の計算方法については触れる程度に留め、手続きのやり方に絞ってお伝えしますね。
そもそもワンストップ特例とはどんな制度なのか
ワンストップ特例制度は、確定申告をしなくてもふるさと納税の寄附金控除が受けられる仕組みです。
寄附先の自治体が5団体以内で、かつ「確定申告をする必要がない給与所得者等」であることが条件になっています。
条件を満たす人が寄附先の自治体へ申請書を提出すると、自治体側で手続きをしてくれるので、自分で確定申告書に寄附金控除を書き込む必要がなくなる、というのがこの制度のありがたいところです。
サラリーマンの副業程度で確定申告が不要な人であれば、この特例だけでふるさと納税の手続きは完結します。
でも、ここでポイントになるのが「確定申告をする必要がない人」という条件なんですよね。
なぜ個人事業主はワンストップ特例が使えないのか
個人事業主は、事業所得があるかぎり原則として毎年確定申告をする必要があります。
つまり「確定申告をする必要がない人」という条件から、そもそも外れてしまうんですよね。
さらに実務上もう一つ重要なポイントがあります。
仮にワンストップ特例の申請書を寄附先の自治体に提出していたとしても、その申請さえ済ませれば確定申告をしても控除が二重に受けられる、というわけではありません。
国税庁は、ワンストップ特例の申請を行った方であっても確定申告を行う場合には、その申請が無効になると案内しています(東京国税局)。
⚠️ 注意: 「申請書を出したから大丈夫」は誤解
個人事業主が確定申告をする以上、ふるさと納税の寄附金控除は必ず確定申告書のなかで自分で記載しなければなりません。
申請書を提出済みでも、確定申告時にその申請は自動的に無効になります。
記載を忘れると、控除自体が受けられなくなってしまうので注意が必要です。
私は開業してすぐの年、まさにこの勘違いをしていて、税理士さんに指摘されるまで気づかなかったんですよね…。
ワンストップ特例の書類を出した記憶があっても、確定申告をするなら記載は別物、と覚えておくと安心です。
確定申告書のどこに書けばいいのか、具体的に見ていく
経費や控除は、使える制度を知らないと損することがあるよ。
それでは実際に、確定申告書のどこにふるさと納税の寄附金控除を記載するのか、順番に確認していきます。
国税庁の確定申告書等作成コーナーの案内でも、記載箇所は次のように整理されています(国税庁 確定申告書等作成コーナー)。
| 書類 | 記載する内容 |
|---|---|
| 確定申告書 第一表 | 「所得から差し引かれる金額」の欄にある「寄附金控除」に、控除額を記入 |
| 確定申告書 第二表 | 「寄附金控除に関する事項」に、寄附先の自治体名・寄附金額を記入 |
| 確定申告書 第二表 | 「住民税に関する事項」の「都道府県、市区町村への寄附(特例控除対象)」欄にも、ふるさと納税の金額を記入 |
流れとしては、まず第二表の「寄附金控除に関する事項」欄に、寄附した自治体ごとの名称と金額を書き込みます。
これは寄附先が複数あっても、証明書の枚数分すべて記載する必要があります。
次に、その合計額から2,000円を差し引いた金額を、第一表の「寄附金控除」欄に転記します。
たとえば年間で50,000円分のふるさと納税をしていた場合、寄附金控除額は48,000円(50,000円-2,000円)という計算です。
そして忘れがちなのが、第二表の「住民税に関する事項」にある「都道府県、市区町村への寄附(特例控除対象)」欄です。
ここにもふるさと納税の金額を記載しないと、住民税側の控除(特例分)が正しく反映されないことがあるので、両方の欄に書き込むことを意識しておくといいですね。
なお、寄附先ごとの証明書(寄附金受領証明書、またはマイナポータル連携等で取得したデータ)は、e-Taxでの電子申告であれば添付省略できる場合もありますが、書面提出の場合は申告書に添付する必要があります。
この点は年度によって取り扱いが変わることもあるので、申告時に最新の案内を確認しておくと安心です。
上記の記載箇所・様式は年度によって様式番号や欄の名称が変更されることがあるため、実際の申告時には国税庁の確定申告書等作成コーナーや最新の申告書様式で必ず確認してほしい。

ワンストップ特例の申請書を出していた場合はどうなる?
経費や控除は、使える制度を知らないと損することがあるよ。
「年の途中まで給与所得だけのつもりでワンストップ特例の申請書を出していたけど、結局事業所得が発生して確定申告することになった」というケースも、個人事業主なら十分あり得ますよね。
このような場合でも、対応はシンプルです。
ワンストップ特例の申請書を提出済みかどうかにかかわらず、確定申告をするならふるさと納税分もまとめて確定申告書に記載すれば大丈夫です。
申請が自動的に無効になるだけで、二重に控除されたり、逆に控除が受けられなくなったりすることはありません(流山市)。
ただし、記載を忘れてしまうと控除がまるごと受けられなくなる点は変わりません。
私の場合、ふるさと納税の証明書を専用の封筒にまとめておいて、確定申告のときに第二表と一緒に見比べながら記入する、というやり方に落ち着きました。
似たような仕組みを作っておくと、記載漏れを防ぎやすいと思います。
上限額の考え方について簡単に
ちなみに、ふるさと納税で実質2,000円の自己負担で済む金額には上限があり、個人事業主の場合は給与所得者と違って所得や控除の状況によって上限額の計算がやや複雑になります。
この記事では手続きのやり方に絞ってお伝えしているため、上限額の具体的な計算方法については別記事で詳しく整理する予定です。
上限を超えて寄附した分は単純な寄附(控除対象外)になってしまうので、寄附前には目安を確認しておくことをおすすめします。
まとめ:個人事業主は確定申告書への記載が必須
個人事業主がふるさと納税のワンストップ特例を使えないのは、確定申告をする人がそもそも制度の対象外だからです。
うっかり出し忘れているわけではなく、仕組みとしてそうなっている、という点をまず押さえておくと安心ですね。
確定申告で寄附金控除を受けるには、第一表の「寄附金控除」欄と、第二表の「寄附金控除に関する事項」「住民税に関する事項」の両方に記載が必要です。
書き漏れると控除が受けられなくなってしまうので、証明書をまとめておいて、申告書作成時に一つずつ照らし合わせながら記入していくのがおすすめです。
ふるさと納税の手続きに不安がある場合は、国税庁の確定申告書等作成コーナーの案内を確認しながら進めるか、顧問税理士に相談しながら申告書を作成すると確実だと思います。





経費や控除は、使える制度を知らないと損することがあるよ。