「iDeCoって65歳までだと思ってた」という人へ
先日、60代前半の知人から「iDeCoってもう年齢的に無理だよね?」と聞かれて、ちょっと答えに詰まってしまったんですよね。
というのも、その答えが2026年12月から変わることになっているからです。
2026年12月1日から、iDeCo(個人型確定拠出年金)の加入可能年齢が「65歳未満」から「70歳未満」へと拡大されます。 単純に聞くと「5年も長く積立できるなんてラッキー!」と思いたくなりますが、、、実はそう単純な話でもなかったりします。
この記事では、掛金の上限額の話はいったん脇に置いて、「加入年齢の拡大」という1つの論点に絞って、施行日・対象になる人の条件・注意点を一次情報にもとづいて整理していきます。
特定の金融商品の売買を推奨する内容ではなく、あくまで制度の仕組みを知るための情報提供であることを先にお伝えしておきますね。
🔍 結論だけ知りたい人へ
2026年12月1日から加入可能年齢が70歳未満に拡大しますが、65歳以降も続けるには「厚生年金加入」または「国民年金の任意加入」かつ「老齢基礎年金・iDeCoの給付をまだ受け取っていない」ことが条件です。
誰でも自動的に70歳まで積立できるわけではありません。
いつから、何が変わるのか
改正の施行日は2026年12月1日です。
この日を境に、iDeCoに加入できる年齢の上限が「65歳未満」から「70歳未満」へと引き上げられます(auのiDeCo公式サイトの制度改正案内より)。
これまでは、国民年金の第2号被保険者(会社員・公務員として厚生年金に加入している人)や、国民年金に任意加入している人であっても、65歳になった時点でiDeCoへの新規加入・掛金拠出ができなくなっていました。
改正後は、この上限が5年分後ろにずれる形になります。
施行日・条件は2026年8月時点の証券会社・運営管理機関の公表情報にもとづくものであり、今後の国民年金基金連合会・厚生労働省の正式発表で細部が変わる可能性がある。
最新情報は必ず一次情報で確認してほしい。
似たタイミングで、掛金の拠出上限額(個人事業主は月75,000円へ、会社員・公務員は月62,000円へ)も引き上げられる予定ですが、この記事では取り上げません。掛金上限の話は別記事(小規模企業共済とiDeCoの比較記事、掛金上限引き上げの記事)で詳しく扱っているので、気になる方はそちらもあわせて読んでみてください。
誰が対象になるのか、条件を整理する
NISAやiDeCoなど、非課税の枠から検討するのがおすすめだよ。
条件を読んで肩透かしを食らった話
ここが今回いちばん伝えたいところです。
「70歳未満になった」と聞くと、60代の人なら誰でも新規加入できるように思えますが、実際にはいくつか条件があります。
まず60歳以降にiDeCoの口座を新しく開いたり、積立を続けたりするための基本的な要件は、次のいずれかに当てはまることです。
- 会社員・公務員として厚生年金に加入し続けている(国民年金の第2号被保険者)
- 国民年金に任意加入している(自営業者などで、将来の年金額を増やすために60歳以降も国民年金保険料を納めている人)
- すでにiDeCoの加入者、または運用指図者(掛金は止めているが資産だけ運用している人)である
- 企業型確定拠出年金からiDeCoへ資産を移換する
さらに65歳以降70歳未満で加入を続けるには、「老齢基礎年金やiDeCoの老齢給付金をまだ受け取っていないこと」という条件も加わります。
老齢厚生年金だけを先に受け取り、老齢基礎年金は繰り下げている、というようなケースは対象になり得るようです。
単に「年齢が延びた」というニュースだけを見て期待しすぎると、自分が対象外だったときにガッカリしてしまうかもしれません。
なお、2026年12月1日の施行から3年間は経過措置が設けられていて、60歳以上70歳未満であれば、年金保険料の納付状況を問わずiDeCoの口座開設・積立が基本的にできるようになる、という案内も出ています。
制度が切り替わる過渡期ならではの救済措置と言えそうですね。

「手放しで喜べない」と言われるのはなぜか
NISAやiDeCoなど、非課税の枠から検討するのがおすすめだよ。
証券会社系メディアの解説を読んでいて、なるほどと思ったのが「この改正、実はほとんどの人にとって手放しで喜べる話ではない」という指摘です。
理由はシンプルで、65歳以降もiDeCoに拠出し続けられるのは、それなりの収入を伴う仕事を続けていて、なおかつ老齢基礎年金をまだ受け取っていない人に限られるからなんですよね。
65歳を機に仕事をセーブして年金を受け取り始める、というごく一般的なライフプランを描いている人にとっては、そもそも条件に当てはまらないケースが多いというわけです。
一方で、証券会社の別の解説では「60代前半のうちは、年金保険料の納付状況を問わず加入を続けやすくなる」という点のほうが、多くの人にとって実務上のメリットが大きいのではないか、とも指摘されています。
「70歳まで」という数字の大きさに目を奪われがちですが、実際に恩恵を受けやすいのはむしろ60代前半の部分かもしれません。
⚠️ 注意
~~「iDeCoは70歳まで誰でも積立できるようになる」~~というのは、正確には少しずれた理解です。
正しくは「一定の条件を満たせば、70歳未満まで積立を続けられる制度に変わる」ということ。
自分がその条件に当てはまるかどうかを、まず確認するところから始めましょう。
手続き面で気をつけたいこと
条件に当てはまりそうだと分かった場合でも、自動的に加入期間が延びるわけではありません。
- 65歳の時点ですでにiDeCoから離脱している人が、改正後に条件を満たして再加入したい場合は、あらためて加入手続きが必要になる見込みです
- 60歳以降も厚生年金に加入し続けているかどうか(会社に勤め続けているか、再雇用契約の内容によっても変わる)を、自分自身で把握しておく必要があります
- 国民年金の任意加入をしている人は、加入期間や保険料の納付状況によって条件が変わる可能性があるため、詳細は運営管理機関(証券会社・銀行等)や年金事務所に確認するのが確実です
正直なところ、こういう「自分がどの区分に当てはまるか」を確認する作業は後回しにしがちですよね…。
でも改正の恩恵を受けられるかどうかは、この確認をしたかどうかで結構変わってくると思います。
まとめ:延びた年齢を「使える人」かどうかをまず確認する
NISAやiDeCoなど、非課税の枠から検討するのがおすすめだよ。
2026年12月1日から、iDeCoの加入可能年齢は65歳未満から70歳未満へと拡大されます。
ただし誰でも自動的に70歳まで積立を続けられるわけではなく、60歳以降も厚生年金に加入している、または国民年金に任意加入しているといった条件を満たす必要があります。
今日からできることとしては、まず自分が60歳以降も厚生年金に加入し続ける見込みなのか、それとも65歳前後で年金受給を始める予定なのかを、ざっくりでいいので考えてみてください。
そのうえで対象になりそうだと分かったら、加入している(あるいは加入予定の)運営管理機関に、再加入や継続の手続きについて確認しておくと安心です。
なお、この記事はiDeCoという制度の加入年齢に関する仕組みを解説したものであり、特定の金融商品・運用商品の売買や、特定の運用成果を保証・推奨するものではありません。
実際の加入・掛金設定にあたっては、制度の公式情報や税理士・専門家にも相談しながら判断することをおすすめします。





NISAやiDeCoなど、非課税の枠から検討するのがおすすめだよ。